貴様は死体だが、命に別状はない。 5話ネタバレレビュー
貴様は死体だが、命に別状はない。 (5話ネタバレ)
第5話
屍魂葬送
「どうして・・・アイドルができない身体になったから死んだのに・・・」
魔女カスミによって蘇生された人気アイドルの明星きらら。
しかし、蘇生は完全ではなく、火事の影響か全身ケロイド状態で復活してしまったのです。
またもやアイドルができないことに絶望したきららは病院を抜け出し、憧れの場所であったドームへ・・・
そこで成田に想いをぶちまけるきらら。
蘇生してもアイドルができない身体であることに絶望したきららは「屍魂」化してしまいます。
−もし、現世で糸が解かれれば、むき出しの魂は拒絶反応を起こし、屍魂化する・・・
成田と一緒にきららを追っていた赤音はカスミの言葉を思い出し、何とかしてきららを止めようとします。
「ふざけないでよ」
その一言と共に閃光に包まれるきらら。
成田と赤音が目を開いた時にはそこにきららの姿はなく、操り人形に蝶の羽と肉塊をくっつけたような化け物がいたのです。
「なんだ・・・この化け物は」
成田も心情的にはソレがきららである事はなんとなくわかってはいたのですが、受け入れられないのでしょう。
きららをこんな姿にしたくて蘇生させたんじゃない・・・
あまりのことに唖然とする成田ですが、化け物はそれを許してはくれませんでした。
「許セナイ」
化け物が咆哮すると周囲の施設がはじけ飛び破壊されていきます。
「笑顔ヲ届ケル流レ星」
「歌モ演技モ何デモゴザレ」
化け物は意味不明な事を言いながらきららの顔のような肉塊を吐き出し続けます。
「あぁ・・・俺はまたこいつに伝えられないまま終わってしまうのか」
成田がきららを蘇生させた本当の理由は、ある事を伝え謝りたいからです。
それすらする間もなく、蘇生したきららは逃亡し、暴走してしまったのです。
このままコロされる・・・
そう思ったとき、化け物と成田の間に割って入ったのはカスミでした。
「成田・・・あれが死者の成れの果て屍魂だ」
「ああなった以上、聞く耳を持たず、まもなく消滅する」
カスミは屍魂の末路を淡々と語り、
「このままでいいのか?」
と問いかけてきます。
カスミは一瞬ならきららだった屍魂を鎮め、話をする猶予を与えられると言います。
自分がどうするか判らない成田。
そこに今まで見たことがない表情のカスミが一喝します。
「同じ過ちを二度繰り返すんじゃない!!」
「俺は・・・」
ところが、成田が何か言うより早く、きららだった屍魂が反応します。
「マサカ・・・オ前ガ・・・」
私を復活させたのか?そういうより早くカスミは自ら名乗り右腕を振り上げると、きららの周りに魔法陣が現れます。
きららが消滅させられる直前、
「きらら!俺は!お前が笑顔で生きていてくれれば・・・」
「ただ、それだけでよかったんだ」
成田が言い終わるのときららが消滅するのはほぼ同時。
成田の声はきららに届いたのでしょうか?
貴様は死体だが、命に別状はない。 5話感想
遂に屍魂が何であるのか明らかになりましたね。
暴走したきららは屍魂になってしまいましたが、その姿が印象的です。
操り人形に蝶の羽。これはアイドルであるきららの投影でしょうか?
貴様は死体だが、命に別状はない。の第4話できららのデビュー曲は「アゲハ唄」であることが明かされましたが、この蝶の羽はそこからきているのかもしれません。
そして、なにより人形の脚の部分は成田ともきららともつかない顔のような肉塊になっています。
これが何を意味するかは貴様は死体だが、命に別状はない。では解説されていません。
読み手の判断にゆだねられている部分だと思うのですが、個人的にはきららと成田を足して2で割った存在だと思います。
成田ときららは同じ境遇という弱いつながりからスタートし、一緒にアイドルの頂点を目指してきたのですから。
そして、その夢がかなう直前に病に侵されてしまったきらら。
その無念が結晶化したのでしょう。
そして、屍魂化したきららはカスミによって葬られてしまいます。
ちなみに、このときカスミは死神(ゲーデ)に呼びかけています。
ゲーデは死とセックスの精霊とされており、生きている人間のすべてを知っているため非常に賢明な存在と言われています。
一方でひどく下品な態度や言葉遣いをするともあり、きららの蘇生に対する狙ったような不完全さもこの辺りに起因するのかもしれません。
貴様は死体だが、命に別状はない。の第6話ではきららが消滅してしまいそうですが、カスミのいう「あいつら」などまだまだ謎がたくさん残っています。
引き続き続話に期待ですね!